【事案の概要】
自由民主党の毛利修三愛媛県議会議員が配布した政治活動用ビラに天皇皇后時代の上皇陛下ご夫妻の写真を掲載し、皇室を政治利用していたというもの。
【詳細と情状】
どのような内容か簡単に説明すると、《地域のみなさまへ》と題したビラ《Vol.31 毛利修三議会報告》に、2017年、上皇ご夫妻が愛媛国体に出席されたときの写真を掲載し、政治活動に利用していたというものである。
このビラが皇室の政治利用に当たるのではないかと問われ、毛利修三は次のように述べている。
「愛媛国体のとき、今回のハガキ大のサイズより、もっと大きな見開きの議会報告をさせていただいたのです。そのとき、県で撮影した正式な写真から、私が写っているものを使っていいかと県庁に確認して、使わせていただいたものです。天皇皇后両陛下のお写真ということで、勝手に使ってはいけないと思ったので、そのとき、県庁にも確認してあります。県の公式のカメラマンが撮影した、県の正式な報告書から使用させていただいたものです。私のほうでは、問題ないと考えて、今回も同じものを使わせていただきました」
要するに、以前愛媛県に確認して使用許可を得たから同じものを使ったと言い訳しているのである。
一方、毛利修三が使用許可を得たとされる愛媛県側は(1)2017年の時点で、天皇皇后両陛下(当時・以下同)の写真を政治活動用ビラに掲載することを許可していたのか? (2)結果的に、選挙前に天皇皇后両陛下の写真が掲載された政治活動用ビラが撒かれたことになるが、県庁としては「天皇・皇室の政治利用」にあたるとは考えないのか。以上2点の質問に対し、次のように回答している。
(1)「当時、陛下の御対応をした関係者などから私的な記念に欲しい等の依頼を受け、県が撮影した写真を提供したことは少なからずあり、今回の写真はアングルや姿勢、表情等から県が提供した可能性は高いが、記録が残っておらず、明確に確認することはできなかった」(2)「政治活動に使用する目的での写真の提供依頼はお断りしているが、今回の写真が県提供のものであるとの明確な確認ができないことから、政治運動ビラへの掲載についてコメントは差し控えたい」現職の自民党県会議員に忖度した形となっているが、
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