【事案の概要】
政治家女子48党のガーシ―(本名:東谷義和)参議院議員(全国比例)が、参議院懲罰委員会で「除名」処分を受け、本会議でも可決され、72年ぶり戦後3人目の除名となったというもの。
【詳細と情状】
昨年7月の参議院議員選挙で当選したガーシ―議員であるが、ドバイなど海外に滞在し、国会を欠席を続けたことに対して、「議場での陳謝」の懲罰が与えられたにも関わらず、帰国しなかったことから再び懲罰委員会にかけられ、全会一致で除名処分となり、本会議でも可決されたというものである。
この除名に対しては、政治家女子48党(NHK党)関係者や支持者などから批判の声があがっている。全て荒唐無稽なものであるだけでなく、中にはデマも含まれており、国会欠席を正当化する理由にはなり得ない。
ここでその声を一部取り上げたい。「公約で出席しないと言っていた。出席しないのは公約を守っているだけだ」という点については、国会法5条において「議員は、召集詔書に指定された期日に、各議院に集会しなければならない。」されており、出席義務が課せられている。出席しないという公約を掲げるのは自由だが、そうであるならば、まずは出席し、法改正することで公約を守るべきである。
「ガーシ―に投票したのは28万人の民意だ。国民が除名するのではなく、国会議員が民意を無視して議員資格を剥奪するのはおかしい」という点については、懲罰委員会の委員も選挙で選ばれた議員であり、本会議で採決する議員も国民に選挙によって選出された議員であり、何らおかしなことではない。
「他にも国会に来てない議員がいる。ガーシ―だけ除名はおかしい」などと、他議員の名前、具体的には小沢一郎議員などの名前を挙げて、何十年も国会に来ていないなどと批判しているが、「あの子もやっているのに自分だけ叱られるのはおかしい」子供の言い訳にすぎない。そもそも出席者の記録が残るのは委員会のみである。委員会は理事や委員以外は出席義務がなく、出席したくても会場に全員出席できる広さもない。本会議は記名投票の時などを除き、出席した記録は残らず、小沢一郎議員他が何十年も国会に来ていないなどというのは悪質なデマにすぎず、当然理由にならない。
「ただ国会に来ないからという理由で小さな政党を排除するのは恣意的で危険」という点に関しては、ただ国会に来ないから除名したのではなく、国会法違反を犯したことに対し、除名の前に「陳謝」という決定を踏んでいる。一度は出席すると答えたのはガーシ―自身であるにもかかわらず、「不当逮捕される」などと意味不明な理由でドタキャンした不誠実な態度も考慮されて除名処分となったもので、除名自体は慎重に慎重を重ねた手続きによって行われている。この点も理由にならない。なお、逮捕自体が不当であるかというのは、全ての情報を入手している捜査機関ではないので分からないが、報道されている情報だけでも名誉毀損や脅迫などの構成要件を満たすと考えられ、国外逃亡している事実もあわせると不当逮捕には当たらないと思われる。
「これで除名したら国会のオンライン化が遅れる」というのは、国会に出席して法改正を行ってから主張すべきであり、国会法に定められた義務も果たさず、権利だけ主張する資格は無い。
他にも様々な声があるが、このように、ガーシ―の除名に反対する意見にはいずれも屁理屈の域を出ず、理由がない。
国会議員というのは、民意を盾に好き放題やっていいものではない。ガーシ―議員は「立花さんに出席しなくてもいいと言われた」などと、同党元党首立花孝志氏の名前を挙げて言い訳している。確かに立花孝志氏にも責任があるが、出馬前に国会法に出席の義務が明記されていることぐらい自分で調べて理解すべきである。
ガーシ―議員のみならず、このような人物を公認した政治家女子48党(旧NHK党)の責任も重大であるが、それ以上に投票した有権者も猛省する必要がある。
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