【事案の概要】
自由民主党の藤沼貢幸手市議会議員が、本会議場で市建設経済部長に暴力を振るい、怪我をさせ、被害者が幸手署に被害届を出したというもの。
【詳細と情状】
暴行容疑の内容であるが、12月1日の午前、本会議の休憩に入った直後、藤沼貢が、建設経済部長に近づき言葉を交わした後、うなり声を上げて部長の首付近を手でたたき、首に怪我を負わせたというものである。
暴行に至った経緯であるが、所有の農地にある建物について、農地法に基づく手続きがされていないとして議会で問題視され、被害者の部長は、その対応を担当。被害にあった日も、藤沼貢にたたかれる直前、農地の問題に話が及びそうになり「もうやめましょう」と被害者の部長が伝えた後の犯行だったという。つまり、自分に都合のいい解釈をしない建設経済部長に対して、怒りによる犯行で、犯行動機も身勝手であり、悪質な暴行傷害事件といえる。
また、藤沼貢は、暴行事件を起こす前からこの部長を頻繁に訪ね、農地法違反ではないと主張し、11月ごろには「100万円払えば人を殺すやつがいるのを知っているか」と脅迫ととらえられる発言をして部長を脅していたという。この点からもついカッとなっての犯行でなく、普段からの暴力気質が引き起こした事件である。
藤沼貢の経歴であるが、当選7回を誇る80歳のベテラン議員で、議長経験もある幸手市議会の重鎮である。暴行事件当時は市議会の自民会派の代表も務めていたが、交代した。なお代表交代後も自民会派に所属していることから、このような暴行は自民党としても公認しているのであろう。
本来であれば暴行事件は個人の資質の問題で、党派によるものではないが、藤沼貢に対する対応以外にも、自民党では暴行事件が相次いでいる。直近1年程度だけでも国会議員では高野光二郎による秘書への流血暴行事件、地方議員でも坂口健太薩摩川内市議の傷害事件での逮捕など明るみになっただけでも複数の暴行事件が発生している。自民党の不祥事といえば政治とカネや女性問題などが多いイメージがあるが、それだけでなく、暴力も推進している政党であるといえる。このような反社会的組織が政治に関わる資格はない。
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